Zapshot
Bring Friends Closer
北米のZ世代を主なターゲットとし、「テキストでのやり取りに疲れ、より直感的・感情的にコミュニケーションしたい」という課題を解決するSNSアプリ。 文字入力の負担やニュアンスが伝わりにくい問題に対し、声を中心としたコミュニケーションを軸に、チャットだけでなく動画投稿も可能な体験を提供することで、より自然で円滑なつながりを実現する。Z世代にとって日常的に使われる、新しいコミュニケーションツールとなることを目的としている。

業務内容
PdMとUI/UXデザイナーを兼務し、プロダクトの企画から体験設計、開発推進までを横断的に担当。プロダクト戦略・ロードマップ策定、機能要件定義、仕様作成、プランニングなどのPdM業務と、UXリサーチ・ユーザーインタビュー/テストの設計・実行、UI/UXデザイン(Figma)、デザインシステム設計といったデザイン業務の双方に携わっている。
UI/UXデザイナーとしては、音声メッセージ機能やコンテンツ投稿機能を中心にUX改善や新機能の企画・設計を担当。ユーザーの行動やフィードバックをもとに、音声コミュニケーションを軸とした新しいSNS体験の設計・改善に取り組んできた。またPdMとして、国内外のチームと連携し、英語・日本語の両方を用いてプロジェクトを推進。エンジニアリングへの理解を活かし、デザインと開発の橋渡しを行いながらプロダクトの意思決定に関与している。
役割
PdMとUI/UXデザイナーを兼務し、プロダクト全体の方向性と体験品質の両方に責任を持つ役割。デザインチームのリーダーとして、リサーチ、UX設計、情報設計、UIデザインまでを統括。ユーザー課題の特定から解決策の定義、実装・検証までを一貫してリード国内外のステークホルダーと連携し、プロダクト推進のハブとして機能。
チーム体制
エンジニア15名(アプリエンジニア6名、バックエンドエンジニア9名) + デザイナー2名(UIUXデザイナー、UIUXデザイナー)
ツール
Notion, Figma、Figjam、Miro

プロダクト改善例①
問題提起
Momentはユーザーが動画を投稿できる機能だが、想定よりも投稿率が低い。ユーザーあたりの1日あたりの投稿率は10%未満と低迷しており、ユーザーが積極的に投稿しない傾向がある。
戦略・方針
Momentの投稿率低迷は、単なるUIの問題ではなく「安心して投稿できない」という体験設計上のボトルネックが原因であると判断した。特に、投稿が可視化される範囲が曖昧なまま動画投稿を求められることは、心理的リスクが高く、Z世代ユーザーにとって大きな離脱要因になっていると考えた。そのため、本フェーズでは新規機能追加やインセンティブ設計よりも、**「誰に見られるのかを明確にし、安心して最初の一投稿を行える体験」**を最優先課題として設定。投稿体験の中核である「公開範囲の選択」を改善することが、短期的な投稿率改善だけでなく、中長期的な継続利用・エンゲージメント向上につながると判断した。
ロードマップ上では、
- 初期フェーズ:投稿時の心理的ハードルを下げ、行動を起こしやすくする(今回)
- 中期フェーズ:投稿体験に慣れたユーザーに向けたインセンティブや拡散導線の強化
- 長期フェーズ:コミュニティ形成・UGC活性化
という位置づけで、本施策をエンゲージメント改善の起点となる基盤施策として実行した。
仮説:
ユーザーがMomentを投稿する際の体験に課題があり、投稿のハードルが高い可能性がある。具体的には、
- 投稿の公開範囲に関する心理的不安
- →見知らぬ人に動画を見られることへの抵抗感
- →「友達限定で共有したい」というニーズが満たされていない
- 投稿までの導線がわかりづらい
- 投稿するモチベーション(インセンティブ)が不足している
目標
Momentの投稿体験を改善し、ユーザーが安心して投稿できる環境を整えることで、投稿率を向上させ、プロダクト全体のエンゲージメントを高めることを目標とする。
Momentの投稿率を、ユーザーユニークで1日30〜40%以上に向上させ、全体のエンゲージメントを高めることを目指す。そのために、投稿時の体験に「公開範囲の選択」を取り入れ、ユーザーがより安心して投稿できる環境を整える。

アプローチ

結果
Iteration 3の反映後、Moment動画の投稿率が40%に上昇。決して高くはないが数値が上昇したことにより体験が改善されたことがわかった。
また、ボタンのハイライトによってGlobalよりも投稿率が高かったことから、視覚的なデザインがユーザーの行動に影響を与えることが確認できた。
今回の反映で得られた知見:
- Friends Onlyの導入による心理的ハードルの低減
- 友達だけに見せる設定が可能になったことで、安心して投稿できるユーザーが増え、投稿率の向上につながった。
- 色のハイライトによるユーザー誘導の効果
- 特定のボタンを視覚的に強調することで、ユーザーの選択を自然に誘導できることが確認された。

プロダクト改善例②
問題提起
Message機能の新規ユーザーあたりの1日あたりの投稿率は5%未満と低迷しており、ユーザーが積極的にメッセージを送信して会話を続けることができていない。特に、プロフィールページからメッセージ機能への導線や、初回メッセージ送信時のユーザー体験に課題がある。
戦略・方針
Message機能における新規ユーザーの投稿率低迷は、機能不足ではなく「最初の一通を送るまでの体験設計」に課題があると判断した。特に、フレンド成立直後は関係性が浅く、ユーザーが最も心理的な不安を感じやすいフェーズであり、この段階でのつまずきがその後の会話継続率や定着率に大きく影響していると考えた。そのため、本施策ではメッセージ機能の拡張や高度なチャット機能の追加よりも、**「迷わず・考えずに最初の一通を送れる体験」**を最優先で改善対象とした。具体的には、他のSNSやメッセージアプリでユーザーが既に慣れ親しんでいる動線・UIを採用し、送信場所や操作を直感的に理解できる設計を重視した。また、「何を送ればいいかわからない」という課題に対しては、文章入力を前提としない会話のきっかけを提供することで、心理的ハードルを下げ、行動を促す方針とした。これにより、メッセージ送信という行動自体を軽くし、会話が自然に始まる状態を作ることを狙った。
ロードマップ上では、
- 初期フェーズ:フレンド成立直後の初回メッセージ体験を改善し、会話開始率を高める
- 中期フェーズ:会話継続を支援する機能や表現の拡張
- 長期フェーズ:ユーザー間の関係性深化とコミュニティ形成
という流れの中で、本施策をコミュニケーション活性化の起点となる基盤改善として位置づけている
仮説:
ユーザーがアプリ上でフレンドになった後の体験に課題があり、特にフレンドになったばかりの相手にメッセージを送るハードルが高いことが影響していると考えられる。具体的には、
- 何を最初に送ればいいかわからない
- 「Hey」や「What's up」などの簡単なメッセージは思いつくかもしれないが、実際に送るのは難しい
- メッセージを送る方法が直感的ではない
- どこから送信すればいいのかが分かりづらい
目標
Message機能の1日あたりの送信率を20%以上に引き上げることを目指す。そのために、以下の施策を導入する。
- わかりやすく馴染みのある動線を作る
- ユーザーが他のアプリでも見たことがあるような直感的なUIを設計し、メッセージを送る場所や方法を明確にする。
- 会話のきっかけを提供する
- 「何を送ればいいかわからない」問題を解決する体験を作ることで、最初の一歩を踏み出しやすくする。
- 心理的ハードルを下げ、チャットを促進する

アプローチ

結果

プロダクト改善例③
問題提起
Onboardingの通過率が低く、通過しても各画面の登録が不十分(例・名前未入力)。
戦略・方針
オンボーディングの通過率低下および登録情報の未入力は、ユーザーの理解不足や意欲の欠如ではなく、初回体験における認知負荷と待ち時間の大きさが主因であると判断した。特に、アプリの価値を十分に体験する前段階で多くの入力や説明を求めることは、ユーザーにとって負担が大きく、離脱やスキップ行動を誘発していると考えた。そのため、本施策では「機能説明を丁寧に伝える」ことよりも、迷わず・考えず・止まらずに進めるオンボーディング体験を最優先方針として設定。一画面あたりの情報量を最小限に抑え、視認性や操作性を改善することで、ユーザーが直感的に次のアクションを取れる設計を目指した。また、クローンボイス生成など時間のかかる処理については、オンボーディング内で完結させるのではなく、後続体験へ切り出す判断を行った。これにより、初回体験でユーザーを待たせることを避け、「まずは使い始められる状態」を作ることを重視した。
仮説:
- 画面ごとのステップがスムーズに進まない、文字が多い
- →デザインが分かりづらく、ボタンが押しづらい
- スキップボタンが簡単に押ける → 実際の体験につながらない
目標
Onboardingの突破率を向上させ、ユーザー登録情報の充実を図る

アプローチ
- UI/UX改善:全体のスタイル統一、文字量や見た目の整理
- 体験改善:クローンボイス生成時間を短縮やスキップボタンの出し方を工夫
- →スキップボタンが簡単に押せる → 実際の体験につながらない
結果
- Onboarding突破率が70〜80%に上昇
- ユーザー登録情報の充実度も向上
今回の反映で得られた知見:
- 一画面の情報量を減らす
- 様々なモチベーションを持ったユーザーがいて、必ずしも文字を読むことが多くないため、文字を減らしてもわかるUIにする。 また、情報を限定的にして目的を明確に伝える。
- 時間がかかる処理、UXに影響を与えるものはオンボーディングに入れない
- ユーザーがクローンボイスの生成完了を待つ必要があり、そのことがユーザー体験に影響を与えていた。

デザインシステムの構築
問題提起
プロジェクト開始当初はデザインシステムが存在せず、UIのルールが属人的かつ曖昧な状態だったため、デザイナー・エンジニア双方にとって「毎回判断が必要」「実装時に認識がずれる」といった課題が発生していた。結果として、UIの一貫性が保たれにくく、開発スピードや品質にも影響が出ている状況だった。そこで、デザインチームリーダーとしてこの課題を構造的に解決する必要があると判断し、UIUXデザイナーと協力しながら、開発とデザインの共通言語となるデザインシステムの構築を提案・実行した。
構築した要素:
- カラーシステム:・Primary、Transparency、Neutral、Dark/Light Sharedの4つのカラースキームを定義し、それぞれDarkとLightモードに対応したカラーパレットを策定
- タイポグラフィ: ・Headline・Label・Bodyの3つの役割に分け、フォントサイズ・ウェイト・行間を段階的に定義。各UIコンポーネントや画面において迷いなく適用できるよう、用途ベースで再利用可能なテキストスタイルとして整理した。
- アイコンライブラリ: ・24pxグリッドベースで統一されたアイコンセットを作成し、様々なUIコンポーネントで使用
- コンポーネント: ・Tab Bar、PopUpなどの基本的なUIコンポーネントを標準化し、再利用可能な形で整備
これにより、開発とデザインの効率が向上し、プロダクト全体のUI/UXの統一感を強化することができた。
カラー & タイポグラフィシステム

アイコン & コンポーネントライブラリ
結果
デザインシステムを導入したことで、デザイナーは「毎回ゼロから考える」必要がなくなり、体験設計や改善検討に集中できるようになった。また、エンジニア側でもUI仕様の確認コストが下がり、「実装しやすい」「迷いが減った」といった声が多く上がった。実際に、UIの一貫性が向上実装時の手戻りが減少デザイン・開発間のコミュニケーションがスムーズ化といった変化が生まれ、開発スピードと品質の両立につながった。
さらにユーザーインタビューにおいても、「デザインに統一感がある」「アイコンが分かりやすい」「ダークテーマが洗練されている」といった評価を得ることができ、内部効率だけでなくユーザー体験の向上にも寄与したと考えている。
機能開発例
Moment 機能
背景
Zapshotは、気軽に日常をシェアできる動画SNSアプリ。ユーザーの「自分らしい瞬間を残したい/共有したい」というニーズに応えるため、デュアルカメラを活用した新機能「Moment」を開発しました。
機能概要
- デュアルカメラ動画:前面・背面カメラを同時に使って、より臨場感のある動画撮影が可能。
- 公開範囲の選択:
- Friends only:親しい友人にだけ共有
- Global:世界中のユーザーに公開
- → ユーザーが安心して投稿できるよう、柔軟な公開設定を提供。
デザイン上の工夫
- 撮影画面はシンプルで直感的に操作できるUIを設計。
- 公開範囲の設定を撮影フロー内に自然に組み込み、投稿前に迷わず選択できるよう配置。
- 視覚的に「友達だけ」「全体公開」の違いが分かるアイコンを採用し、安心感を担保。
成果
- Zapshot内で最も人気のある機能となり、ユーザーの利用率が高い。
- 「日常を気軽に残せる」「共有範囲をコントロールできて安心」といったポジティブなフィードバックを多数獲得。

カウントダウン撮影機能
背景
Zapshotでは、見知らぬ人とも気軽に繋がれる体験を重視。若者の間では「友達作り」や「ナンパ的な出会い」のニーズも存在していました。そこで、カウントダウン撮影機能をデザインし、初対面でも自然に一緒に写真を撮れる体験を提供しました。
機能概要
- カウントダウン撮影:撮影ボタンを長押しすると強制的にカウントダウンが始まり、撮影がスタート。準備する間もなく自然な一体感を演出。
- 友達作りフロー:撮影後に相手と繋がれるUIを設計。特に「電話番号を気軽に交換できるフロー」を導入。
- 共有方法の多様性:電話番号以外の方法(SNSシェア等)も提供しつつ、番号交換を中心に設計することで「確実につながれる」体験を強調。
デザイン上の工夫
- カウントダウンは「キャンセルできない仕様」にすることで、偶然性や強制力をあえて楽しめるUXを実現。
- 電話番号入力画面はできるだけシンプルにし、心理的ハードルを下げるよう配慮。
成果
- 若者ユーザーから「友達を作りやすい」「自然に連絡先を交換できる」と好評。
- 「キャンセルできない仕様」がスリリングで面白い、というユニークな評価も獲得。
- 一方で「誤って長押しして撮影が始まる」ケースもあり、今後は改善余地があることも確認。

100質問機能
背景
Zapshotでは、ユーザー同士がより深くつながる体験を目指した。見た目や日常の共有だけでなく、友達の"意外な一面"や"人となり"を知ることで生まれる関係性に価値があると考え、気軽に自分について答えながら互いを知るきっかけを作る「100質問機能」をデザインした。
機能概要
用意された100の質問に順番に答えていく形式で、回答はすべて声のみ。テキストでは伝わりにくい感情やニュアンスを届けることで、より親近感のあるコミュニケーションを生むことを狙った。質問内容は性格・価値観・日常・関係性など多岐にわたり、自然と会話のきっかけが生まれる構成にしている。
デザイン上の工夫
質問数が多いため、テンポよくストレスなく答えられるUIを重視。スワイプやタップで直感的に進める軽量なフローを採用し、声の録音や再生もワンタップで完結できるようにした。全体を通して、ユーザーが"話すこと"そのものに集中できる体験を目指した。
成果
「友達の意外な一面が知れて面白い」「声が聞けるのが新鮮」などポジティブな反応を多く得た。声で答える体験が、テキストでは得られない親近感や温度感を生み出すことを確認できた。
改善案
質問のバリエーションを増やすほか、自分で質問を作って他のユーザーに聞ける機能を検討中。また、回答結果から共通点や違いを可視化するなど、会話がさらに広がる仕組みも今後の課題としている。
